クリティカルファキュリティ―=判断のフィルターは、
現実と非現実(イメージの世界)を区別しようとするフィルターのことです。
ひとつ前のページで、意識(顕在意識)と無意識(潜在意識)の性質をお話ししましたね。
この2つに加え、さらに催眠を理解するために必要なのが、この判断のフィルターです。
判断のフィルターは、肯定的な言葉を無意識(潜在意識)に届ける前に、「その言葉が自分の理にかなっているか、いないか」を判断しようとするのです。
信じても大丈夫だ!と判断すれば、言葉はフィルターを通って潜在意識に届きます。
反対に、素直に受け入れられないと判断すればブロックしてしまいます。
判断のフィルターと意識(顕在意識)がなければ、人は無条件に何でも信じようとするので、ガードマンの役割を果たしているのです。
さて、私たちは物事を判断できるようになるのは何歳くらいからなのでしょうか。
だいたいは、7歳頃から始まり、12歳頃までの間に出来上がると言われています。
潜在意識の扉が開きっぱなしの状態です。とても純粋で、見たもの、聞いたこと、感じたことが五感を通して素直に入っていきます。
まだ判断のフィルターが形成されないこの頃に、怖い出来事、悲しい出来事、傷ついたり、ネガティブな言葉を多く聞いたりすると、
それをもとに物事を捉えていきます。もちろん逆もあります!嬉しいことも、楽しいことも。
潜在意識に埋め込まれた感情・思考・体験・信念・習慣などは、自然とプログラミングされていきます。
大人になってからこれらを意識的に変えていくのは、容易ではありません。
ヒプノセラピーでは、この判断のフィルターを意図的に緩めることで、自ら潜在意識にあるネガティブな感情や考え方を変容することが
できます。
ここからは、読みたい方だけお読みください。
程度にもよりますが、苦い経験、マイナスと思われる体験というのは、私は大切なことだと感じています。
より今をありがたく感じられたり、辛かったからこそ成長できる。そういう感情や体験も意味があると思っています。
しかし、あまりにも長い期間、ネガティブな感情や物事を捉えたままですと、こころが辛いと思います。
身体にまで影響を及ぼすこともあります。
周りがあなたを見る目も今と変わらないままでしょう。
自分で変わろうと頑張ってみてもうまくいかなかったり。
いっぱい資格を取ってみても、活かし方がわからなかったり。
周りが幸せそうで、自分は置いてけぼりのような気持ちになったり。
つい人や世の中のせいにする癖がついてしまったり。
実際は裏切られていないのに、裏切られたと感じたまま、人を信じられなくなったり。
様々な問題が出てきます。
一例として、批判的な言葉ばかり言われて育ってきた人のお話をします。
これは親や周りの大人がすべて悪いというわけではありませんので、誤解しないで読んでいただきたいのですが。
常に批判されて育ってきた子供は、いつも怒られないようにいい子でいようとしたり、顔色を伺ったり、その子なりに気を遣っています。
そのまま大人になったとき、本人は誰かに怒られないように生きようとします。必要以上に人の顔色を伺います。
学校の先生や、近所の人の言葉に影響されることもあります。
本当はこうしたいと思うことがあっても、してはいけない気持ちになるのです。
「自分さえ我慢すれば、問題は起こらないから。」
ちょっとしたことでも、ひとつのきっかけを元に物事の捉え方がネガティブになって育っていきます。
大きく言ってしまえば、自分軸より、他人軸で生きている事になってしまいますね。
しかし、親や、先生、周りの人たちも悪気はないのです。
自己肯定感が低くなると、恋愛ではいわゆるダメ男と呼ばれる人と付き合うようになり、自分よりもダメな人といることで安心感を得てしまいます。
必要とされている感じになります。それが当たり前であるかのように。
ひとにはそれぞれの価値観というものがあります。捉え方もそれぞれです。
「そんなことで落ち込むの?」という言葉は、ある人にとっては、「そうだよな、次がある!」と捉える。
ある人にとっては、「わたしには大したことだよ。」と捉える。
どちらも間違っていないのです。
家族ですら価値観は違うのです。
しかし物事の捉え方は幼少期が影響している場合が多いです。
判断のフィルターが形成されるまでに受ける影響力はとても大きいです。
弱っている時、落ち込んだ時ほど家族や友人に理解して欲しいと思うものですよね。
でも、自分をわかってくれる唯一の人は、自分だけなんです。
自分を助けてあげられるのも自分だけです。
本来みんなポジティブな感情を持って生まれてきています。
それを取り戻し、自分のことを好きになってほしいです。
本来のあなたを取り戻したとき、笑顔が増えます。素敵な出会いもあります。
自分の可能性を信じてみてくださいね!